さようなら、リョウクさん

 


リョウクペンを辞めることにした。

ただ、SUPERJUNIORのことは好きなのでELFのままですが、10代から8年間一途に応援してきた自分の軸のような存在との別れです。

 


SUPERJUNIORを好きになって、歌の上手いリョウクさんを見つけて、通学中、通勤中、ライブの前、数えられないくらい歌を聞いて支えられてきました。

スパショもソロコンもほんとうに楽しくて幸せだったなあ。

 


私の軸のような存在でした。

音楽が好きな彼の身体全体から響く音楽を聞くのが楽しみで、ライブに行くたびに表現力の高さに感動して

わたしも影響を受けて音楽の勉強や楽器の習得までしたんだよ、すごいね。

リョウクさんは人に影響を与える方だ。ほんとうにすごいよ。そういうところが大好きだったよ

 


メンバーからたくさん可愛がられて

 


そんな姿を見るのも幸せだったよ

 


でも、本人の頭に血が上りやすい性格は変えられないみたいだ。

 


2021年の彼女絡みの大炎上のときから、耐えてるリョウクペンさんおつかれさまです。

無理はしないで自分のペースで自分の感情と整理してくださいね。

私もまだ感情の整理がついてないけど、入隊前からSNS炎上が度々起こる姿を見てきたから、たぶん次に期待しても同じことが繰り返されるのかなって諦めてしまった。

こんなとき涙も出ないなんて悔しいな

 


さようなら、リョウクさん。

今までありがとう。

狂炎ソナタ 観劇のツボ

9月18日(リョウクさんは9月20日)よりオンラインでの公演がはじまる「狂炎ソナタ」について、簡単にまとめてみましたので参考にしてみてください。

今回話題にする内容は以下の4つです。

 


①登場人物について

②話の構成と原作について

③リョウクペン向け 音楽表現について

④台本&楽譜集について

 


まず、①についてです。

「狂炎ソナタ」の登場人物について

舞台上に出てくる登場人物は「J」「S」「K」の3人のみです。

簡単な役のキャラクター説明は

J:音楽的名誉のある賞を受賞したことで、Kに師事することとなった音楽家

S:Jの10年来の親友。過去に音楽でJに助けて貰ったことがある。

K:音楽界で名を知らない者はいない、有名作曲家。

となっています。

ちなみに、キャラクターの名前の由来は下記の通りとなっています。

「J」(Jealousy)

「S」(Sonata)

「K」(Killar)

作品を見れば、この登場人物の由来がすぐに理解できます。個人的に、これはとても分かりやすい表現であると思っています。

 


②話の構成について

この話の構成は、作品の内容が理解ができればとてもシンプルなものとなっています。しかし作品を初めて見る場合は、少し戸惑うこともあるかもしれません。そのため簡単に説明をしておきます。

この話の作り方は「現在」地点に存在するSとK。そして「過去(1年前)」に存在した3人の話を交互に繰り返すものとなっています。

「現在」地点に存在する2人が、過去のある期間について対話をした後、その期間についての回想シーンが実際に物語上で繰り広げられていく と考えると分かりやすいです。

 


「現在」地点で話題となる話は、あるひとつの話題に対し、双方の立場の「正義」を語る話となっています。この対話により見ている観客が「この作品が伝えたいこと」について深く考えるきっかけを作っています(但し、あくまでフィクションの話であり、社会一般的な善悪の考え方とは異なります)

 


ちなみに、作品の中でSの第一声となる「(축하드려요!)おめでとうございます!」は「現在」地点において、Kに対して皮肉のかかったとても重要なセリフとなっています。聞き逃がさずチェックをしてみてください!

 


そして、原作についても補足程度に触れておきます。

この作品の原作は、金東仁(キム トンイン)作「狂炎ソナタ」という短編作品です。日本でも翻訳され書籍が出版されています。

原作小説と舞台の内容は、結論から言うと全く異なります。

しかし、原作の中でJを匂わせる人物が存在し、その父親とKが学生時代の同級生であった。

という内容のことが記されています。

この部分について、過去のインタビュー等を確認し、舞台で掘り下げているかどうかを確認したところ、参考にして役作りをしている様子が窺えました。(あくまでエッセンス程度です)

そのため、原作を読んだことのある方は少し意識して観劇してみると面白いかもしれません。

原作を読んだことの無い方も機会があれば、読むことをおすすめしたいです。30ページ以下の短い作品のため、比較的読みやすいものとなっています。

 


③ リョウクペン向け 音楽表現について

 


この作品は、ピアノを弾いたり歌唱しながら話の内容が進んでいきます。

歌詞の内容がセリフを兼ねているため、隠さずに言うならば、ここが作品の1番の肝です。

そして、この音楽表現の時間にリョウクさんの音楽才能と演者としての努力が全て現れています。

この作品で取り扱う楽曲は、歌詞の中に音楽用語が登場します。

歌詞は「音楽用語」→「用語の説明」というように進んでいくことも少なくなく、音楽の知識のない人が見ても比較的分かりやすい表現となっています。

リョウクさんは音楽が堪能なため、音楽用語を自分の中に落とし込むのがやはり上手と感じました。

また、「音楽の知識のない人が見ても比較的分かりやすい表現」をするために、音楽用語ごとにその意味に合わせ、声色と表情をくるくる変化させるストイックな演者的側面と、歌唱面における圧倒的な表現力で観客に感情を訴えかける力がリョウクさんにはあります。(曲の悲しい場面では、実際に目に涙を溜めながら歌っていたこともありました)

私が狂炎ソナタを好きな理由は、上記の理由が全てです。

 


過去の公演でリョウクさん以外のJ役の公演を見た際に、細かな表現方法の違いの積み重ねによって、これ程までに観客への感情の訴え方が異なるのかと感激したことを覚えています。(その方の表現を批判している訳ではありません)

 


④台本&楽譜集について

物販にて販売している「台本&楽譜集」についてです。

この本は、公演の度に発売されているものです。(台本部分が日本語翻訳版と韓国語表記版に別れており、公演する地域によって、その内容を変えて販売しています)※今回の日本人向け通販では日本語翻訳版が販売されます。

内容としては、台本と舞台で演奏される全ての楽曲の楽譜 をまとめたものとなっています。

また、付録的な役割として作品で取り上げた「音楽用語」についての解説も載っています。

 


これは作品を好きになったならば、ぜひ購入してほしいと思っています。

特に③でとりあげた音楽表現について、あとから調べるときにとても役に立ちますし、楽譜があることで、作品で演奏された楽曲をピアノで弾くこともできます。

 


以上、簡単にまとめてみました。

観劇の参考にしていただけたら幸いです。

 


最後に、狂炎ソナタは本当に最高の舞台です。

感激される方は 一緒に楽しみましょう!

狂炎ソナタは悲劇だったのだろうか①


狂炎ソナタ開幕からから今日で1年です。

11月15日から25日まで日本で約2週間行った後、5月に韓国でも再演しました。この舞台は本っっつ当に素晴らしい作品で、開演から1年経った今も私の心をぎゅっと掴んで離さないのです。(この文章を書きながら泣いている)1年経った今もJのことを思い出し「Jの生きた人生はとても美しいものだったよ」と言いながらぎゅっと抱きしめたくなります。「死」を取り扱っている作品ですが、とても美しい作品だと私は感じています。

 


そして、自分が狂炎ソナタについてブログに書こうと思った理由。この舞台を見終わったあとに生じた疑問「狂炎ソナタに出てくるJは不幸だったのだろうか。そもそもこの話は悲劇だったのだろうか?」について、つらつらと書いてみようかなと思ったからです。なるべく作品を見たことない人にも分かりやすいように書けたらいいなと思っています。

 


・そもそも、「狂炎ソナタ」とは?

まず、この話をする上で必要なのが「狂炎ソナタ」ってどんな話?ってことだと思います。

この話を簡単に説明すると、

「天才作曲家Jが殺人の結果得た楽想(モチーフ)を元に楽曲を作りあげていく。しかし、それと引き換えに、自身に取り憑いてしまった悪魔を殺すまでの1年間の記録」の話です。

 

この記事では狂炎ソナタのあらすじについて書いてみようと思います。長いですがどうかお付き合い下さい。

 


登場人物

J

この話の主軸となる人物。リョウクが演じているキャラクターでもある。若くして音楽の名誉ある賞「グロリア・アルティス勲章」を受賞。その後、Kに師事する。

S

天才。Jの10年来の友人。かつJにとって唯一の友人でもある。Sの両親が事故で亡くなった際、Jに音楽で救ってもらった。音楽は楽しむものだ。という一貫した考えがある。

K

表向きはクラシック界の有名作曲家。しかし、今まで1度も自分の実力で楽曲を作ったことがない。グロリア・アルティス勲章を受賞したJを自分の功績のために利用しようとする。

 


この話は回想シーンとJの生きた1年間の話が交互に繰り返されながら展開されていきます。

賞を受賞してからJが生きていた期間は、1978年4月から1979年2月までで、回想シーンはJが受賞した翌年のグロリア・アルティス勲章の時期に当たる1979年の4月。この時には既にJは死んでいて、残されたSとKがJの遺物である手記を読みながら過去を振り返り対話をしています。

 


Jの生きた1年間について分かりやすくまとめると下記の通りとなり、激動の1年だったことがよく分かります。(手書きかつ汚いですが)

 

f:id:ryeosong8686:20221007211445j:image

 

写真を見るとわかるのですが、Jは4月に賞を受賞していますが、Kの元へやってくるのは10月になってから。実際に舞台で触れている部分もその5ヶ月間です。彼が苦しんだのは、とても短く濃い時間であったことが窺えます。

「狂炎ソナタ」は、Jが悪魔を殺すまでの記録の話ではあるものの、Jがソナタを作り上げていく話でもあります。そのため、それぞれのソナタの完成日だけを抜粋。()内はそれぞれの楽曲にJが付けた名前。

第一楽章(没作):10月27日

第一楽章(モルモランド):10月28日

第二楽章(レリジオーソ):10月29日 4:41

第三楽章(不明):12月3日

第四楽章(アモローソ):2月10日

第五楽章(ベクレムト):2月17日(同時にJも没)

※第一楽章の没作(死の瞳)は、Jが自らの努力によって作り上げた楽曲でしたが、K氏の批判にあい結果的に没作となります。

※第一楽章と第二楽章を作るまでの間が1日しかないのは、車で轢いて殺した男を森に隠した次の日に、様子を確認しに行ったら、なんとまだ生きていたためそのまま絞殺した。という経緯があります。

 


【あらすじを兼ねつつ、Jが悪魔に染められていくまで】

 


その前に、Jに取り憑く「悪魔」とはなにか。

狂炎ソナタの中に現れる悪魔とは、「楽曲のためならば'死'を犠牲にすることを恐れない」ことと定義します。

また、悪魔とは取り憑いたはじめからJを苦しめるものではなく、徐々に彼自身を侵食していったのだ。ということを補足しておきます。

 


Jに悪魔が取り憑いたのは、男を車で轢き第一楽章の楽想が浮かんできたその日(10/28)だと思います。

この時のJには「殺人はいけないこと」と分かっていながらも「何かを犠牲にしなければ何も得られない」という感情に支配され、Jは最終的に「ごめんなさい!」と絶叫に近い声を上げ男を絞殺します。そして第二楽章を作成。

第二楽章以降、楽曲が作れないJ。Kも演奏会に必要な楽曲の締切が近づき焦りが募ります。その時、Jの手記を見つけたKは恐る恐る中身を捲っていきます。すると、以前制作した2曲が「殺人」によって制作された楽曲だと知り驚きます。しかし、Kは「殺人」を利用すればJがまた楽曲を作ることが出来ると気がついてしまうのです。そしてJに近づき「作曲家にとって、曲を書けないこと以上の罪はない」とささやくのです。

Jには殺人をして楽曲を作り上げることは、いけないことという倫理観があり、かつ自分の努力で楽曲を作るべきだ。と思っていたと思うのですが、偉大なるKにそれを肯定されてしまった。そこでJの心が一度死んでしまいます。そこで舞台は1度暗転。(このタイミングで第三楽章が作成される。タイトルは'The Murder')

 


次の幕からは完全に悪魔に取り憑かれてしまったJの姿が現れる。殺人を肯定され心が死んでしまったJは、毎晩のように殺人を犯すのですが、一向に楽想は浮かばない。

Jのセリフ「毎晩彼らが僕の元を訪ねてきます。笑って…泣いて…。でも…もう何も言ってくれない。なぜです?なぜ何も言わないのです!」

そして、ナイフでKを威嚇するのですが、その時またもやKがJに「もっと君を刺激する"死"を探すのだ」と助言をします。

 


すると、その時タイミングよくJの唯一の友人、Sから電話がかかります。そしてJは受話器を手に取り「僕…僕だよ。今からちょっと会えるかい?」と話をする

この時のJはかなり追い詰められていて、電話後Sに会った際に「最後に」とか「もう戻れないんだ」と発言していて、悪魔に取り憑かれてしまった彼自身がもう後に戻れなくなっていることを自覚していたことがとてもよくわかります。

そして、JはSに対して「君にインスピレーションをもたらす曲」を弾いて欲しいとお願いをします。そこで、Sが演奏する楽曲は「色あせないように」この曲はJがこの舞台中で"唯一"作曲をした曲です。この曲については後述しますが、かなりキーとなる曲です。

"音楽にはインスピレーションが必要だ"と感じているJと"音楽は楽しむものだ"と信じ疑わないSとで意見の食い違いが起こり、Jは衝動的にSをナイフで刺してしまいます。結果的には未遂で済みましたが、Jの元へは第四楽章の楽想がやってきます。

唯一の友人であったSでさえも、音楽インスピレーションとして昇華しようとしてしまう自身に絶望するJ。Jは自分がこの先も生きていたら、それ以上の犠牲が生まれてしまうことを感じとり、自身を殺すことで自分に取り憑いた"悪魔"を殺そうと決心します。そして自死し生まれた最後の楽曲が、第五楽章「狂炎ソナタ」です。

 

以上ここまでが狂炎ソナタの簡単なあらすじとなります。